カナダのスポーツウエア大手、ルルレモン・アスレティカの新作レギンス「Get Low(ゲット・ロー)」で顧客から透けるとの苦情が相次いだ問題で、同社は、顧客がサイズを上げて、下にシームレスで肌に近い色の下着を着用しさえすれば、過度な透け感もなく、商品名の通り、深くしゃがむ姿勢が取れるとの立場だ。

これは、ブランド・製品活性化最高責任者のニッキ・ニューバーガー氏が先週の会議で数百人の従業員に伝えたメッセージだ。バンクーバーにある本社スタッフと、世界中からオンラインで参加した従業員らは、経営陣が策定した2026年計画を聞くために集まっていた。だが彼らがまず耳にしたのは、透けて見え、「スクワットの動作に適さない」と購入者から苦情が殺到したレギンスを巡る、新たな混乱の報告だった。

Photographer: Michael M. Santiago/Getty Images

グローバルデータのマネジングディレクター、ニール・サンダース氏は「正直、冗談のような話だ」と断じ、「高級品を販売しておきながら、製品に不備があるために顧客にレギンスの履き方を指示するなどあってはならない」と切り捨てた。Get Lowの価格は108ドル(約1万7000円)もする。

これは、ルルレモンが自ら招いた失策の新たな事例に過ぎない。ここ数年、同社は高品質な定番商品を求めるヨガやフィットネス愛好家という中核の顧客層を重視せず、トレンド追随や製品の早期投入を優先してきた。ディズニーなどのブランドとのコラボレーションに顧客は困惑した。パーソナルケア用品への参入や、5億ドルを投じたフィットネス機器事業参入も失敗に終わった。

グッゲンハイム・セキュリティーズのシニアマネジングディレクター、シメオン・シーゲル氏は、ルルレモンは「独自性を削り取ってしまった」と指摘する。「コアとなる客層や初期のファンは疎外感を持っているだろう。彼らが好きだった、かつてのルルレモンではなくなっている」。

アスレジャー市場を事実上切り開いた看板商品のヨガパンツでさえ、その戦略は迷走している。アロ・ヨガやヴオリといった新興ブランドがインフルエンサーやZ世代の支持を集める中、ルルレモンも対抗して鮮やかな色使いや大きなロゴを配したパンツやトップスを投入したが、それらは結局、セール棚に並ぶ結果となった。「レギンスは10年前から変わらない陳列棚に展示され、店舗は古臭く感じられる」と語る投資家もいる。

株価は2023年に付けた最高値から約65%下落した。年間売上高伸び率は約20年前の上場以降で最低水準になる見通しだ。

 

カルビン・マクドナルド最高経営責任者(CEO)は今週退任するが、正式な後継者は決まっていない。アクティビストとして知られるエリオット・インベストメント・マネジメントは10億ドル超相当のルルレモン株を取得している。事情に詳しい関係者によると、同社は小売業界のベテランでラルフローレンの元幹部、ジェーン・ニールセン氏をCEO候補として推している。

ルルレモンの広報担当者は声明で、同社は「行動計画の実行」に引き続き注力していると説明。新スタイルの投入目標は達成する方向にあり、「指導陣の能力に自信を持っている」と表明した。

原題:Lululemon Blames Customers Again After See-Through Tights Fiasco (1)(抜粋)

--取材協力:Janet Freund.

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