(ブルームバーグ):トランプ米大統領は21日、グリーンランドを巡り「将来の合意の枠組み」に達したと主張し、米国による取得の取り組みに反対する欧州諸国に対して2月1日から予定していた関税の発動を見送る考えを示した。
ソーシャルメディアで明らかにした関税の発動見送りは、ここ数日、欧州に圧力をかけ続けてきた大統領にとって大きな方針転換となる。世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に合わせ、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と会談した後に示された。
ただトランプ氏は、「枠組み」の具体的な内容については説明していない。デンマークはこの日、自治領グリーンランドを米国に譲渡する交渉には応じないと表明しており、合意の枠組みが何を意味するのかは不明だ。
トランプ氏は投稿で、「グリーンランド、そして実際には北極圏全体に関して、将来の合意の枠組みを形成した」と述べた。さらに、「この解決策が成立すれば、米国とNATO加盟国すべてにとって素晴らしいものになる」とし、「この理解に基づき、2月1日に発効する予定だった関税は課さない」と続けた。
トランプ氏のコメントを受け、米国株は急伸、ブルームバーグ・ドル指数は日中高値を付けた。米国債も上げ幅を拡大した。
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デンマークのラスムセン外相は、21日の放送局DRのインタビューで、「一日の終わりは始まりより良くなった」と述べ、今回の進展を歓迎した。ただ、トランプ氏がグリーンランド支配への野心を放棄したわけではないのは明らかだとした上で、この問題は依然として「デンマークにとって越えてはならない一線だ」と語った。

トランプ氏は投稿後、記者団に対し、合意の詳細を近く公表すると述べた。米国がグリーンランドの所有権を得る内容かどうかを問われると回答を避け、「長期的なディールだ。究極の長期ディールで、全員が非常に良い立場になると思う」と語った。期間については「無期限」になるとした。
また、CNBCのインタビューでトランプ氏は、グリーンランドを巡る自身の「計画の構想」についてデンマーク当局者と直接話したことはないものの、ルッテ氏が現地で首脳らに説明したと推測していると述べた。さらに、米国がグリーンランドの鉱物資源の権益に「関与する」ことになるとも語ったが、詳細は明らかにしなかった。
トランプ氏は投稿で、ミサイル防衛構想「ゴールデンドーム」を巡り、今後も追加協議が行われると述べた。交渉はバンス副大統領やルビオ国務長官、ウィトコフ特使らが担当するとした。トランプ氏はグリーンランド取得を目指す理由の一つに同防衛構想を挙げていた。
NATOの報道官はトランプ氏とルッテ氏の会談後に発表した声明で、「ロシアや中国が経済的、あるいは軍事的にグリーンランドに足場を築くことがないよう、デンマークとグリーンランド、米国の間で交渉が進められる」と述べた。また、協議は、「特に北極圏に位置する7つの同盟国」を中心とした共同の取り組みを通じ、北極圏の安全保障を確保することに重点を置くとした。
トランプ氏は17日、米国によるグリーンランド取得に反対し、デンマークを支持する欧州8カ国に対し、2月1日から10%の関税を課し、6月1日までに合意が成立しなければ税率を25%に引き上げると述べていた。
原題:Trump Backs Off Greenland Tariffs, Citing ‘Framework’ Deal (4)、Trump Backs Off Greenland Tariffs, Citing ‘Framework’ Deal (1)、Trump Holding Off on Greenland Tariffs, Citing ‘Framework’ Deal(抜粋)
(デンマーク外相やNATO報道官のコメントを追加して更新します)
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