米フォード・モーターが、海外工場で製造するハイブリッド車(HV)向けのバッテリー供給を巡り、中国の比亜迪(BYD)と協議している。交渉に詳しい複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。ただ、米国内では政治的な反発を招くなど波紋が広がっている。

関係者によると、BYDはフォードが協議を進める複数の電池サプライヤーの1社だ。現時点では合意が目前というわけではないという。フォードは海外工場でHV製造ラインを拡充し米国を含む各国に輸出する見通しだが、米国内で販売されるHVの多くは今後も北米工場での生産が中心となる見込みだ。

BYDはコメントの要請にすぐには応じなかった。フォードの広報担当者は「さまざまな企業と多岐にわたる話し合いを行っている。うわさや臆測にはコメントしない」と述べた。

フォードは2020年以降、中国の重慶長安汽車との合弁工場向けに、BYDのバッテリーを使用している。23年には寧徳時代新能源科技(CATL)とリン酸鉄リチウム(LFP)電池技術のライセンス契約を締結している。

電気自動車(EV)の成長が鈍化する中、HVの販売は世界的に拡大しており、フォードも生産強化して市場投入する計画を進めている。

一方、フォードとBYDの協議観測に対し、米政界は反発。ホワイトハウスのナバロ上級顧問(貿易・製造業担当)が疑問を呈したほか、米下院・中国共産党に関する特別委員会のモーレナー委員長は、フォードは「敵対国ではなく同盟国と協力すべきだ」とし、報道が事実なら「象徴的な米企業としてのフォードの地位が損なわれる」と警告した。

フォードとBYDの協議は、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が最初に報じた。報道を受け、BYDの米国預託証券(ADR)は15日に3.6%上昇。フォードは1%弱下落し、終値は13.81ドルだった。

原題:Ford in Talks to Use BYD Batteries Abroad, Triggering Backlash(抜粋)

--取材協力:Andrea Salcedo.

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