(ブルームバーグ):世界最大の人口を擁し、経済成長が見込まれるインドで積極的な投資を進めているJFEホールディングス傘下のJFEスチールは、その先に同国の外資系鉄鋼メーカーとしてトップに立つことも見据えている。
JFEスチールの小川博之副社長が都内でのインタビューで明らかにした。同社は2025年末、インドで過去最大となる海外投資を決定した。その背景には、将来的に「インドが世界一の鉄鋼産出地になる」との展望がある。

インドの人口はすでに中国を上回っており、長期的には世界最大の鉄鋼生産地となることが有望とみられている。小川氏によれば、インドの鉄鋼セクターは年率8%で成長しており、政府は年間3億トンの鉄鋼生産を目指している。
JFEスチールは昨年12月、インドの戦略的パートナーであるJSWスチール(JSW)と一貫製鉄所の合弁を始めると発表した。JSWグループのBhushan Power & SteelにJFEスチールとして1575億ルピー(約2800億円)を出資し、JFEとJSWの出資比率がそれぞれ50%の合弁事業を行う内容。30年を目標に粗鋼生産を1000万トン規模に拡大、将来的には1500万トン規模まで増やしてインド国内で最大級の一貫製鉄所への発展にも期待するとしていた。
拡張資金は主に合弁会社の収益で賄う方針だが、社債発行や借り入れも選択肢として残されていると小川氏は説明した。
小川氏は「インドの次に伸びてくるエリアについては世界地図を広げて考えているが、今のところ答えはない」と述べたが、同社は米国での機会も視野に入れていると付け加えた。

積極的な投資を進める中で、小川氏はインド経済の減速が主なリスク要因になるとも指摘する。スピードが重要になるとも述べ、「2029年、遅くとも2030年には商業運転にこぎつける。年間生産能力が1000万トンに達したら、間髪入れずに1500万トンの検討を始める」とし、「JFEの経験とJSWの実行力が合わさることで優位性を築き、インドでナンバーワンの鉄鋼メーカーを目指す」と語った。
もう一つの潜在的な課題は、供給過多が続く中国製の安い鋼材がインドを含む世界市場に流入していることだが、この点については小川氏は楽観的だ。インドは自国の製造業振興策「メイク・イン・インディア」を進めており、「中国の鉄鋼製品が洪水のように押し寄せてくるのを、指をくわえてみている国ではない」と話した。
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