米メタ・プラットフォームズと、サングラスの有名ブランド「レイバン」を展開するフランスの眼鏡メーカー、エシロールルックスオティカは、人工知能(AI)を搭載したスマートグラスの生産能力を年末までに倍増させる方向で協議している。需要の拡大を取り込み、競合他社に先んじる狙いだと事情に詳しい関係者が明らかにした。

関係者によると、メタは「レイバン・メタ」フレームの販売が好調なことを受け、2026年末までに年間生産能力を2000万本以上に引き上げる案を提示した。需要が見合えば、3000万本超の生産能力の構築も視野に入れて協議している。現時点では最終決定には至っていない。

こうした協議は、メタが自社で端から端までコントロールできる自社製ハードウエアにAI戦略を拡大し、スマートフォンなど他社製デバイスへの依存を減らす狙いを浮き彫りにしている。生産を拡大すれば、スマートグラスを先行ユーザー向けから大衆市場向けの規模にできるという自信の表れとなる。

関係者の1人によれば、製造を担当するエシロールルックスオティカは、26年末までに1000万本という現行の生産目標にほぼ到達している。レイバンや「オークリー」などのブランドを擁し、サングラス・ハットやレンズクラフターズなどの小売り網を展開する世界最大の眼鏡メーカーである同社は、メタにとっては量産と販売網の両面で優位性を提供するパートナーだ。

両社の担当者はコメントを控えている。

増産に向けた協議は、メタが完全没入型の仮想現実(VR)ヘッドセットから拡張現実(AR)型のスマートグラスへ軸足を移す中で、両社の関係が深化していることを示している。メタは昨年、エシロールルックスオティカ株の約3%を取得し、製造ノウハウや販売網へのアクセスを強化した。

両社は19年に提携を開始し、21年に初のレイバンブランドのスマートグラスを発売。25年10月には、同製品が7-9月(第3四半期)の売上高を押し上げたとエシロールルックスオティカが発表している。

メタは昨年9月、米国で価格799ドルの最新モデル「メタ・レイバン・ディスプレー」を発表。右レンズに文字情報を直接表示できる機能を初めて搭載した。先週ラスベガスで開かれたテクノロジー見本市「CES」では、英国、フランス、イタリア、カナダへの新フレームの国際展開について「前例のない需要と在庫不足」を理由に一時停止したと明らかにした。

原題:Meta Seeks Doubling of Ray-Ban AI-Glasses Output on Demand (1)(抜粋)

--取材協力:Kurt Wagner、Lisa Pham.

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.