(ブルームバーグ):米厚生省は5日、子ども向け予防接種スケジュールに関する勧告を変更し、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの定期接種について、これまでの一律推奨を見直す方針を打ち出した。
新たな接種スケジュールでは11種類の子ども向けワクチンが推奨され、デンマークのスケジュールにより近いものとなった。従来は17種類の疾病に対する予防接種が推奨されていた。
ケネディ厚生長官は声明で、「米国の子ども向け予防接種スケジュールを国際的なコンセンサスと整合させる」と表明した。同省は変更の実施に取り組んでおり、それが米国のアプローチに対する信頼構築につながるとしている。
ワクチンの専門家らは今回の変更について、保護者を混乱させ、接種件数の減少を招き、長年にわたる公衆衛生上の進展を損なう恐れがあると警告している。
ジョージタウン大学でワクチンへのアクセスを扱うプログラムのディレクターを務めるジェシー・グッドマン氏は、「本質的に全く不当な変更だと考えている。これらのワクチンは、重篤な疾病や入院、場合によっては死亡から子どもを守るという事実に基づいて推奨されてきたものであり、その状況は何も変わっていない」と語った。
ケネディ氏がこの1年進めてきた米ワクチン政策見直しで、ワクチンへの信頼が損なわれ、長年続いてきた予防接種のアクセスや適用範囲、有効性を巡る疑念が広がっている。トランプ大統領は昨年12月5日、米国の子ども向け勧告を策定する前に他国の予防接種スケジュールを検証するよう、公衆衛生当局に指示していた。

新たなスケジュールでは、接種勧告を3つの区分に分けている。全ての子どもに推奨されるもの、高リスクグループ向け、そして患者と医療提供者が協力して治療方針を決める「共同意思決定」の対象となるものだ。
エール大学の疫学教授リンダ・ニコライ氏は、共同意思決定のプロセスは医療システム全体での実施がより難しいと指摘。「勧告そのものの性質が患者と医療提供者の双方にとって分かりにくく、医療提供者にはこれらのワクチンについて患者とどう話し合うべきかに関する指針がほとんど、あるいは全く与えられていない」と述べた。
さらに、この運用はワクチンへの信頼を徐々に損ない、特定の予防接種が他よりも価値が低いかのようなシグナルを送る恐れがあるとの見方を示した。
米国はジフテリア、百日咳(せき)、水痘、破傷風、はしか、おたふく風邪、風疹について、小児向けワクチン接種を今後も広く推奨する。ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンも引き続き推奨対象とするが、接種回数は2回から1回に変更される。
また、RSウイルス(RSV)の予防接種は、高リスクグループ、または母親が接種を受けていない子どもに限って推奨される。インフルエンザワクチンは共同意思決定の枠組みで扱われることになり、接種に当たっては医療提供者との相談が必要となる。
原題:US Changes Child Vaccine Schedule to Call for Fewer Shots (2)(抜粋)
(新指針の詳細を追加して更新します)
--取材協力:Ike Swetlitz.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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