中国商務省は7日、日本から輸入されるジクロロシランに対する反ダンピング(不当廉売)調査を開始すると発表した。ジクロロシランは主に半導体の製造に使用される。

同省によると、調査対象となるのは2024年7月初めから25年6月末までの期間。唐山三孚電子材料の申請を受け、調査が始められた。

ジクロロシランは主にロジックやメモリー、アナログ、その他の半導体の製造に必要な薄膜に使用されると商務省は説明。声明によれば、調査は7日から1年以内に完了する予定だが、さらに半年延長される可能性もある。

ジクロロシランは日本国内では信越化学工業や日本酸素ホールディングス傘下の大陽日酸などが販売している。信越化学工業は影響についてコメントを控えた。

デュアルユース品

これより先、中国商務省は6日の声明で、防衛目的で使用される全てのデュアルユース(軍民両用)品の日本向け輸出を即時禁止すると発表。禁止措置は日本の防衛能力を強化し得る全ての物品に適用されるとしているが、詳細な説明はなされていない。

声明には「日本の指導者は最近、台湾を巡り誤った発言を行い、台湾海峡での軍事介入の可能性を示唆した」との報道官談話が盛り込まれた。日本側のこうした発言は「一つの中国」という原則に反し、「悪意があり、極めて深刻で有害な結果をもたらすものだ」とも主張した。

中国による日本向けの軍事転用の可能性がある品目の輸出規制強化措置を受け、日本の外務省は6日、「決して許容できない」として抗議した。

同省が発表した文書によると、金井正彰アジア大洋州局長が施泳駐日中国大使館次席公使に対し、日本のみを対象にした今回の措置は、「国際的な慣行と大きく異なり、決して許容できず、極めて遺憾」として、撤回を求めた。

中国政府がデュアルユースと分類している輸出品には、航空宇宙用エンジン部品や黒鉛および関連製品、特定のタングステン・ニッケル・鉄合金など800品目以上が含まれる。

台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁に中国は反発を強めており、日中間の緊張が一段と高まっている。中・重希土類(レアアース)も対象との報道もあり、 日本の製造業への影響も懸念されている。

木原稔官房長官は7日午前の定例会見で、日本企業への影響について「内容に不明瞭な点も多いことからコメントを差し控える」とした上で、「内容を精査分析の上、必要な対応をする」と述べた。レアアースが輸出規制に含まれる可能性についても、措置の対象など詳細が分からないとし、明言を避けた。

中国政府系の英字紙チャイナ・デイリーはレアアースの一部について、日本向け輸出許可審査を厳格化する方向で検討していると関係者の話として報じた。中国が昨年4月、供給制限を打ち出したサマリウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ルテチウム、スカンジウム、イットリウムの7種類が対象となる見通しだという。

独立行政法人のエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によると、日本は2024年時点でレアアース輸入の約70%を中国に依存している。中国は10年にも、尖閣諸島を巡る対立を受けてレアアース輸出規制を導入。日本の製造業全体に大きな混乱をもたらした経緯がある。

原題:China Starts Anti-Dumping Probe Into Japan Chipmaking Material(抜粋)

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