米国では昨年末にかけてインフルエンザの流行が急拡大し、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)以降で最も深刻な状況となっている。特に子どもや10代の若者への影響が大きい。

米疾病対策センター(CDC)が5日公表したデータによると、これまでに少なくとも1100万人がインフルエンザに感染し、5000人が死亡した。インフルエンザ様疾患での医師や救急外来の受診件数は2020年のコロナ禍前以来の高水準にあり、CDCは25年最終週に現在の流行を初めて「中程度に深刻」と分類した。

状況がさらに悪化する兆しもある。CDCによれば、昨年末時点でワクチン接種を受けた成人は43%未満だった。全米における感染者急増は、「スーパーフルー」と呼ばれる新たな変異株が主因とされる。一般的な「H3N2」型インフルエンザの変異株で、現在利用可能なワクチンは適合性が低いとみられている。

ジョンズ・ホプキンズ大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のウイルス学者で微生物学教授のアンディ・ペコシュ氏は、「米国ではまだピークから程遠い。このウイルスがどれほど強力なのか、集団内でどれくらい持続するのかは実のところ分かっていない」と語った。

 

同氏によると、この変異株はワクチンや過去の感染による防御を回避する能力を持つ。そのため感染しやすい米国人の割合が高まり、流行が急速に広がっているという。

子どもや10代の若者にとって状況は深刻だ。CDCによれば、昨年末の最終週に救急外来を受診した患者の8%強がインフルエンザによるものだった。5-17歳では受診者の20%超、4歳未満の子どもでは18%に上った。

今回の流行期では、すでに9人の子どもがインフルエンザで死亡している。ただ、死亡者数は遅行指標で、時間とともに増える。昨年はインフルエンザによる小児の死者数が280人超と、パンデミック期を除けば最悪だった。

インフルエンザは通常、米南東部で始まり、徐々に北や西へ広がる。外来受診数の多さが目立つ地域は依然として米東部に集中しており、カリフォルニア、オレゴン、ワシントンなどの州でも増え始めている。流行はまだ初期段階で、通常は5月までに終息する。

原題:Flu Infections Hit Highest Level in US Since Covid Pandemic (1)(抜粋)

--取材協力:Tanaz Meghjani.

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