(ブルームバーグ):4日に行われた著名経済学者らによるパネルディスカッションで、膨張する連邦債務が米経済の長期的かつ最大の懸念事項との見解が示された。債務増大により、中央銀行がインフレ抑制より利払い負担の軽減を優先して低金利を維持せざるを得なくなる「財政優位」が懸念されている。
前米連邦準備制度理事会(FRB)議長で前財務長官のイエレン氏はフィラデルフィアで開かれた米国経済学会(AEA)年次総会でのパネルディスカッションで「財政優位を招く前提条件は明らかに強まっている」と述べた。
米議会予算局(CBO)の予測によれば、2025年の連邦財政赤字は1.9兆ドル(約298兆円)に達し、債務残高は対国内総生産(GDP)比で約100%になる見通し。35年には約118%に上昇すると見込まれている。
イエレン氏はまた、トランプ大統領が利払い費削減を狙い、FRBに利下げを「声高に要求してきた」とも指摘した。
同じくパネルディスカッションに参加したメスター元クリーブランド地区連銀総裁も、トランプ政権が債務の脅威を認識していないことが「最も恐怖を感じる」要素だと言及。過去の政権はたとえ財政健全化に踏み切らなくとも崖っぷちにいる自覚はあったが、「現政権はその帰結を理解していない」と断じた。
一方でイエレン氏は、社会保障やメディケア(高齢者・障害者向け医療保険制度)の財源枯渇などの危機が、議会に予算改革の超党派合意を促すとの期待も示した。「米国民が最終的に財政優位の道を選ぶとは思わないが、リスクが現実にある以上、注視が必要だ」と強調した。
原題:Yellen Warns of Growing ‘Fiscal Dominance’ Threat to US Economy(抜粋)
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