アジア株は5日、投資家がテクノロジー株への強気姿勢を拡大する中で、過去最高値を更新した。原油価格は不安定な動きとなり、貴金属は上昇した。

MSCIアジア株指数は、広く注目されているテクノロジー指標の過去最高値更新の流れを受け、寄り付きで0.7%上昇した。米国がベネズエラのマドゥロ大統領を拘束し、新たな地政学的な火種が生じたことで、アジア時間早朝に米株価指数先物も上昇した。

金と銀は上昇基調を維持している。北海ブレント原油先物は、マドゥロ大統領の拘束によりベネズエラからの供給見通しが不透明となり、一時1.2%安の1バレル=60ドルを付けたが、その後反発し、0.3%高で推移している。米国債はほぼ変わらずで、ブルームバーグのドル指数は小幅上昇となっている。

アジア株は今年初の2日の取引で、2012年以来の力強い上昇を記録していた。ウォール街のストラテジストは今年の株式市場については概ね楽観的だが、緊張の高まりにより、2017年以来の高い年間リターンを記録した世界株の底堅さが試されそうだ。

ペッパーストーン・グループのストラテジスト、ディリン・ウー氏は「地政学的な出来事の影響はすぐに消える」とした上で、「ベネズエラでの突発的な緊張の高まりは、世界のリスク資産に大きな影響を及ぼさなかった。地政学的ショックを短期的に織り込み、素早く消化するという市場の傾向が改めて裏付けられた」と説明。トレーダーは一過性のリスクよりも金利見通しや流動性状況、ファンダメンタルズの乖離(かいり)に焦点を戻していると指摘した。

 

初期の反応を見る限り、世界の石油市場は今回の動きを概ね冷静に受け止めそうだ。

事情に詳しい関係者によれば、一連の米国の攻撃後もベネズエラの石油インフラに被害は出ていない。

フィボナッチ・アセット・マネジメント・グローバルのユン・ジュンイン最高経営責任者(CEO)は「マドゥロ氏の拘束は、主に原油価格の上昇と地政学的リスクプレミアムの拡大を通じて、アジア市場に短期的なリスクオフムードをもたらす可能性がある」と指摘。「持続的な石油ショックに発展するとはみておらず、センチメントへの影響は短期的なものにとどまるだろう」と分析した。

投資家は、急上昇すれば株式の重しとなり得るとして、米国債利回りの動向にも注目する。10年債利回りは2日、前営業日比2.6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高の4.19%で終了。30年債利回りは4.87%まで上昇した。

注目点は、ベネズエラ情勢がリスク回避を促して米国債の魅力を高めるのか、それともインフレや米財政政策への懸念が強まり、需要が後退するのかという点だ。

BCAリサーチのチーフ・ストラテジスト、マルコ・パピッチ氏はリポートで、「市場の観点からは、週明けの取引開始時にベネズエラの体制転換を過度に取引材料にすべきではない」とし、「大規模な地上部隊投入は極めて考えにくい。従って財政支出が影響を受けることはなく、債券利回りも上昇しないだろう」と説明した。

一方、米フィラデルフィア連銀のポールソン総裁は、経済見通しが良好であることが条件だとした上で、26年中に小幅な追加利下げが適切となる可能性があるとの見方を示した。

トランプ米大統領

原題:Asian Shares Hit Record, Oil Swings on Venezuela: Markets Wrap、Oil Drops, Stocks Set for Jittery Day on Venezuela: Markets Wrap、Stocks, Bonds Are Set for Jittery Start: Markets Wrap (Correct)(抜粋)

(アジア株の動向などを追加して更新します)

--取材協力:Youkyung Lee、Blaise Robinson、Natalia Kniazhevich.

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