(ブルームバーグ):中国の王毅外相は30日、台湾問題を巡るレッドライン(越えてはならない一線)を改めて強調しつつ、米国との関与に関して新たなモデルを提唱した。トランプ政権との最近の関係改善を定着させる狙いがある。
王外相は外交関係に関するシンポジウムで演説し、「われわれは中米関係の健全で安定的、持続可能な発展を促進する」と表明。相互尊重に基づき、米国と関わり続けるものの、核心的利益については「一歩も譲らない」と述べた。
王氏は米国の台湾への武器売却に反対する考えを示しながらも、米との「積極的な相互交流の新たなパラダイム」を提案。台湾との祖国統一は達成されなければならない使命だとする共産党の立場も繰り返した。
中国は台湾周辺で大規模な軍事演習を実施している。米国が台湾に最大規模の武器売却を発表してからわずか数日後のことだった。
トランプ大統領は台湾への軍事支援にもかかわらず、引き続き対中関係を軌道に乗せておきたい意向のようだ。今回の演習に関する質問を受けたトランプ氏は29日、習近平国家主席との良好な関係を強調した。
対米関係の安定化に向けた中国の呼びかけは、10月に韓国・釜山で米と合意した1年間の貿易休戦に基づいている。これは両国の対立緩和に寄与しているが、根本的な相違の解消というよりも、戦略的分野での相互依存を減らすため、時間を稼ぐための動きと広く見られている。
外交面での勢いは2026年にかけて強まる見通しだ。来年4月にはトランプ大統領の訪中、続いて習氏の訪米が見込まれている。年後半には中国がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を、米国は20カ国・地域(G20)首脳会議をそれぞれ開くことになっており、両首脳が再び会談する見込みの主要イベントが控えている。
中国の対米接近は、日中関係の冷え込みとは対照的だ。高市早苗首相が11月7日、中国が台湾に侵攻した場合、集団的自衛権を行使できる存立危機事態になり得ると答弁したことで、両国関係は悪化している。
中国は発言の撤回を求めたが、高市氏は台湾政策に変更はないとしてこれを拒否している。ここ数週間、中国は日本産水産物の輸入制限や中国人観光客の訪日自粛など相次ぎ措置を講じている。
原題:China Seeks Better US Ties While Vowing Not to Cede on Taiwan(抜粋)
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