(ブルームバーグ):ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、トランプ米大統領との28日の会談で、30-50年間にわたる「安全の保証」の提供を検討するよう求めたことを明らかにした。
ロシアとウクライナの和平に向けた提案では、ウクライナの安全保障について、15年間の保証期間と延長の可能性が定められている。ゼレンスキー氏は記者団に向けた音声メッセージで「保証期間をもっと長くしてほしい。私たちは30、40、50年という可能性も検討したい。そうすれば、これはトランプ氏の歴史的な決断となるだろう」と述べた。
ゼレンスキー氏は、議会で承認された米国の安全保障保証は、ウクライナを支援する欧州主体の「有志連合」による保証と相まって、ウクライナを効果的に保護するものになると述べた。また、欧州連合(EU)への加盟も、安全保障措置の一部となるとの考えを示した。
ゼレンスキー氏は「停戦の監視は、私たちのパートナーが技術的監視と現地駐留によって提供する。こうした詳細は、全て『安全の保証』に含まれる」と語った。また、ウクライナと米国の両チームが、米国によるウクライナへの安全の保証に関する合意を確認したと述べた。
トランプ氏は、28日のゼレンスキー氏との会談後、ロシアとウクライナの戦争終結の合意に向け「大きな進展があった」と述べたが、両首脳とも、主要課題は未解決のままだと認めた。ウクライナ東部の領土の位置づけや、ロシアが占領するウクライナのザポリージャ原子力発電所の処遇について、一致できていない。
トランプ氏は、合意が「かなり近づいている」と確信しているとしつつ、締結には数週間かかる可能性があり、確固たるタイムラインはないとも述べた。ゼレンスキー氏は28日、和平計画は「90%合意済み」だと述べた。
トランプ氏は、ゼレンスキー氏との会談直前にプーチン大統領と「非常に生産的な」電話会談を行ったとしている。両氏は協議後、欧州首脳とも会談した。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は29日、記者団に対し、プーチン大統領とトランプ氏が「間もなく」再び電話会談を行うと伝えた。
ゼレンスキー氏によると、ウクライナは1月に欧州のパートナー諸国やトランプ氏との会合を模索しており、その後「何らかの形式で」ロシア当局者との別途の会合を行うとしている。
フランスのマクロン大統領は29日、X(旧ツイッター)に、有志連合グループが来年1月上旬に会合を開き、ウクライナ支援について協議すると投稿した。
原題:Zelenskiy Asked Trump for 50-Year Security Guarantee for Ukraine(抜粋)
--取材協力:Maxim Edwards.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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