(ブルームバーグ):トランプ米大統領は28日、ロシアの侵攻を終結させる和平合意の可能性を巡り、ウクライナのゼレンスキー大統領との協議で「大きな進展があった」と述べた。一方で、合意の成立には数週間を要する可能性があり、明確な予定表はないと話した。
両首脳はフロリダ州パームビーチにあるトランプ氏の邸宅「マールアラーゴ」で米東部時間午後1時半(日本時間29日午前3時半)過ぎから会談し、昼食を共にした。その後、進展状況を説明するため、欧州の首脳らと電話協議を行った。
会談後の記者会見の雰囲気は和やかだったが、2022年に始まったロシアの侵攻による戦争を終結させるというトランプ氏の目標に、現時点で大きく近づいたとは言い難いことも明らかになった。
ゼレンスキー氏は「和平の枠組みのあらゆる側面について協議した」と述べ、「90%は合意している」と説明。「米国、ウクライナの安全の保証で100%合意している。米国、欧州、ウクライナの安全の保証ではほぼ合意している。軍事面は100%合意している。繁栄のための計画は最終調整中だ」と話した。
未解決の難題の一つは、ロシア軍が一部を占拠しているウクライナ東部ドンバス地域の将来だ。トランプ氏は記者団に対し、この問題は依然未解決だとしつつも、解決に「かなり近づいている」と述べた。
トランプ氏は、合意を確実なものにする助けになるのであれば、ウクライナ議会で演説する用意があると言明。ゼレンスキー氏とロシアのプーチン大統領との3者会談についても構想できるとし、「適切な時期に、実現すると考えている」との認識を示した。

ゼレンスキー氏との会談に先立ちトランプ氏は、ロシアのプーチン大統領と「良好で非常に生産的な」電話協議を行ったと明らかにし、ゼレンスキー氏との会談後に、再びプーチン氏と協議する予定だと語っていた。
トランプ氏は来年1月にゼレンスキー氏および欧州の首脳らとの会合開催を目指していると述べた。ゼレンスキー大統領はその後、会合はワシントンで開催される見通しだとX(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。
両首脳は28日、フランスのマクロン大統領、スターマー英首相、ドイツのメルツ首相を含む欧州の首脳らとも電話で協議した。
ゼレンスキー氏は「安全の保証が永続的な平和を実現するための重要な節目になることで一致しており、私たちのチームはあらゆる側面について作業を続けていく」とコメント。またトランプ氏は、ウクライナの安全の保証については欧州が大きな役割を引き継ぐことになると語った。
トランプ氏は欧州について「彼らはすぐそばにいる。しかし、私たちは欧州を100%支援する。彼らが私たちを助けてくれるのと同様にだ」と述べた。
ゼレンスキー氏は会談に臨むに当たり、ウクライナ東部の領土の地位、将来の安全の保証、ロシアが占拠する原子力発電所の行方など、主要な未解決課題の解決を目指す考えを表明していた。
戦争終結に向けた米国の取り組みは、1月のトランプ政権2期目発足後も合意に至っていない。このためトランプ氏は、合意が差し迫っている場合にのみウクライナ、ロシアの首脳と再び会談すると述べていた。両国の当局者はこれまでのところ、主にウィトコフ米特使およびトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏を通じて交渉を進めている。
原題:Trump Praises Zelenskiy After Talks That Yielded No Breakthrough(抜粋)
(情報を追加して更新します。更新前の記事は原文訂正に合わせ見出し3本目と本文4、5段落の発言者をゼレンスキー氏に訂正済みです)
--取材協力:Laura Davison、Piotr Skolimowski、Olesia Safronova.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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