アメリカのトランプ大統領が国民向けのテレビ演説を行いました。有権者に広がる物価高への不満を払しょくする狙いです。

トランプ大統領は17日、ホワイトハウスから全米に向けたテレビ演説を行い、経済分野を中心に就任から11か月での成果をアピールしました。

国民に不満が広がる物価高については、責任を前のバイデン政権に負わせたうえで、自身の政権のもとでは物価は下がっていると主張しました。

アメリカ トランプ大統領
「我々は経済を破滅の淵から救い出している。前のバイデン政権は、数兆ドルもの資金を国庫から奪い取り、物価を見たことのない高い水準まで押し上げた」

さらにトランプ氏は新たな具体策として、関税の収入を財源に、すべての軍人を対象に1人あたり1776ドル=27万円あまりを支給することを発表しました。アメリカ建国の年、1776年を記念した支給額だとしています。

今回の演説でトランプ氏は“来年は暮らし向きが良くなる”と有権者に訴え、与党・共和党の苦戦が予測されている来年11月の中間選挙に向けて、懸念の払しょくをはかった格好です。

ただ、「トランプ関税」による物価上昇は、今後も続く可能性が指摘されていて、トランプ氏の言葉通りに暮らし向きが改善しなければ、与党・共和党への逆風がさらに強まることも予想されます。