中国政府は、アメリカのバイデン政権による半導体に関する輸出規制措置について「世界のサプライチェーンの安定を脅かしている」などとして、WTO=世界貿易機関に提訴したと発表しました。

アメリカは今年10月、軍事用途への利用を防ぐとして、半導体に関して、製造装置や関連する部品の中国への輸出などについての幅広い輸出管理の規制を発表しました。

これに対し、中国商務省は12日、WTOにアメリカを提訴したと発表しました。「国家の安全保障の概念を一般化して輸出規制措置を乱用している」とした上で、「世界のサプライチェーンの安定を脅かすなど、典型的な保護貿易主義のやり方だ」などと非難しています。

また、中国外務省の報道官も13日の記者会見で、「アメリカの一国主義、保護主義をこれ以上放っておくことはできない。これは世界の貿易システムの安定にかかわる」として各国に協調を求めるなど、ハイテク分野をめぐる米中の対立は一層激しくなりそうです。