米連邦預金保険公社(FDIC)は米銀行業界に関する四半期報告書を公表した。それによると、米銀の純利益は7-9月(第3四半期)に前期比13%強増加した。基盤となる預金保険基金(DIF)の残高が増加する一方、問題銀行の数は減少した。

FDICによれば、純利益は前期比94億ドル(約1兆4700億円)増の793億ドルとなった。引当金の減少と純金利収入(NII)の増加が原動力となった。DIF残高は48億ドル増の1501億ドルとなり、規制当局が特別な監視対象としている問題銀行は57行と、これまでの59行から減った。

FDICのヒル総裁代行は声明で「一部のポートフォリオに弱さがみられるものの、資産の質に関する指標はおおむね良好な水準を維持しており、注意深く監視している」と表明した。ヒル氏は2023年の銀行業界の混乱で浮き彫りになった含み損の問題にも言及し、減少傾向にあるものの依然として高水準だとした。

証券の含み損は前期比で約15%減、前年同期比で7.4%減の3371億ドルに縮小した。FDICが保険を提供している金融機関数は42行減の4379行となった。4行が無保険機関に売却され、38行が他行と合併・統合した。

ヒル氏は記者会見で、銀行と他業種との統合を巡り、より柔軟な方針を示す新たな銀行合併指針を策定中だと述べた。業界関係者は銀行当局に対し、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社や暗号資産(仮想通貨)関連企業による銀行買収がどのような場合に認められるのか明確に示すよう求めている。

FDICは、銀行破綻時に預金者を保護する制度で口座の種類ごとに最大25万ドルまで補償している。

原題:US Banks Show Across-the-Board Gains in FDIC Report (1)(抜粋)

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