(ブルームバーグ):米国の大学卒業者は従来、高卒者より早く就職できる傾向があったが、学卒者の優位性は過去のものになりつつあることがクリーブランド連銀の新たな調査で分かった。
同連銀の研究者アレクサンダー・クライン氏とバリシュ・カイマク氏は24日のブログ投稿で、「最近では、若年の大学卒労働者の就職率が高卒者とほぼ同水準にまで低下しており、大学卒の方が就職しやすかった長い時代が終わりを迎えたことを示している」と指摘した。
この調査は、11月20日に発表された米雇用統計を踏まえたもの。同統計によると、9月の大学卒業者の失業率は引き続き上昇した。人工知能(AI)投資の拡大などを背景に、ホワイトカラー職の採用鈍化が続いている。
若年層はその影響を特に強く受けている。20-24歳の失業率は9月に9.2%と、前年同月比で2.2ポイント上昇した。
大学卒業者は依然として高卒者より雇用の安定性や賃金水準で優位にあるが、雇用動向の変化により、大学進学に伴う経済的メリットは揺らぎかねないと同研究者らは指摘した。
クライン氏とカイマク氏は、「大学の学位がもたらす労働市場での優位性はこれまで、高等教育への個人投資や大学進学支援の拡大を正当化してきた」とした上で、「大学卒の就職率が高卒者に比べて低下し続けるなら、こうした傾向は逆転する可能性がある」と述べた。
原題:Young US College Grads No Longer Have an Edge in Securing Jobs(抜粋)
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