(ブルームバーグ):米OpenAIは年末商戦を前に、人工知能(AI)を活用した無料のショッピング調査ツールを公開した。対話型生成AI「ChatGPT」の利用者が入力する条件に基づき、個人向けの購買ガイドを自動生成する仕組みだ。
OpenAIによると、この新機能は「GPT-5 mini」モデルを基盤に訓練されたもので、利用者に補足質問を行いながら、質が高いと同社がみなすウェブサイトに掲載されたレビュー情報を収集する。製品紹介ページや広告よりも、オンライン掲示板レディットなどに投稿された利用者の体験談を、より信頼性が高い情報として扱う可能性のある設計となっている。同社は特定のサイトを優先してリンク表示することはないと説明した。
今回の新ツールでは専用の「ショッピングリサーチ」ボタンをチャット画面に設けた。 利用者は「ワンルーム向けの小型ソファを探している」や「アート好きな4歳のめい向けのプレゼントを探している」といった形で求めているものを入力する。
このツールはテキストですぐには返答せず、価格帯や色、サイズの希望などをクイズ形式で尋ね、AIがウェブ上の情報を収集しながら10-15点の候補商品を提示。「これに似た商品をもっと見る」、「興味なし」といった選択肢を通じて、利用者はリストを絞り込むことができる。
OpenAIはチャットボット分野での競争激化を受け、ChatGPTの応用範囲を拡大しユーザー獲得を図っている。特にショッピング分野での競争は激化している。同社とパープレキシティなど競合企業はAIツールを消費者の購買プロセスに組み込み、新たな収益源の開拓を模索している。
ただ、OpenAIはショッピングリサーチ機能から即座に収益化を目指してはおらず、来年1月までは無料・有料いずれのプラン利用者にも「ほぼ無制限」で開放される。
同社によると、このツールは、アフィリエイトリンクを経由して販売手数料を得る一般的な購買ガイドとは異なり、ネット上の複数のレビュー情報を集約し、製品ページや評価サイトへのリンクを提示する。チャット内容が小売業者に共有されることもない。
同社はこのツールについて、いくつかの限界があると認めており、近い将来に人間に代わって贈り物を選ぶ存在にはならないと認識している。商品価格や在庫状況などの詳細情報で誤りが生じる可能性があるため、最終的な確認は販売サイトで行うよう利用者に推奨している。
原題:OpenAI Debuts ChatGPT Shopping Research Tool Ahead of Holidays(抜粋)
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