今年7月から9月までのGDP=国内総生産は年率換算で実質マイナス1.8%と、6期ぶりのマイナス成長となりました。世界で名目GDP第4位の日本。その背後に“大国のインド”が迫っています。

日本経済に“トランプ関税”が直撃しています。今年7月から9月までのGDPは前の3か月と比べて年率換算1.8%のマイナスとなりました。6四半期ぶりのマイナス成長です。

その要因となったのは「輸出」。トランプ関税の影響でアメリカ向けの自動車の輸出が大幅に落ち込み、GDPの「輸出」は1.2%のマイナスに。

さらに、国内ではコメの価格高騰など深刻な物価高を受け「個人消費」は弱いままです。

政府は週内にも去年を大きく上回る規模の経済対策を閣議決定する方針ですが、コメ高騰への根本的な対策はなく、「電気・ガス代の補助」などにとどまる見通しです。

みずほ証券 チーフエコノミスト 小林俊介氏
「痛み止めとしての政策は否定しないが、賃金が交渉を通じて物価に勝てるぐらい上がっていくような仕組み作りをする方が重要だろう」

“足踏み”どころか“後退”した日本のGDP。その背後に“急成長する大国”が迫っています。

ITエンジニア
「自分の国が成長しているのはうれしい。日本も第二の故郷だと思っているので、日本はインドと同じくらいか、それ以上に豊かであってほしい」

経済で急成長を続けるインドです。現在、名目GDPでアメリカ・中国・ドイツに次ぎ、第4位の日本。ところが来年にはGDPでインドが日本を上回り、4位に躍り出る見込みです。

インドの強みはどこにあるのか?日本で有数のインド街を訪ねると…

インド料理店 チャンドラニさん
「IT関係は相変わらず増えています。今度はAIが出てきたから(日本でシステムを)構築しないといけない」

優秀なITエンジニアを育成し、世界中に輩出しているといいます。

実はグーグルの親会社やマイクロソフトのCEOはインド出身。なぜ世界で活躍する人材を育てられるのでしょうか?

幼稚園から高校まで、在籍する子どものほとんどがインド人のインターナショナルスクール。特殊な道具を使って幼稚園児が勉強しているのは“数学の基礎”です。

さらに、熱心にキーボードで打ち込んでいるのは英語。世界での活躍を見据え、幼少期から“英才教育”が施されています。

こうしたインドの成長は日本にとってもチャンスだと専門家は指摘します。

みずほ証券 チーフエコノミスト 小林俊介氏
「インドの成長をどう取り込むかの一つに尽きると思う。インドの需要にあやかる形で輸出する。現地に投資をすることで売り上げや利益を企業ベースで伸ばしていく」

“インドの成長をライバル視するのではなく利用する”。日本経済を前に進めるカギとなりそうです。