日産自動車の経営再建のさなか、当初は“半額以下”の提示もあった日産スタジアムの命名権。横浜市は「5年で6億5000万円」で合意したと発表しました。
横浜F・マリノスの本拠地として実に20年もの間、市民に親しまれてきた日産スタジアム。その命名権をめぐって、日産と横浜市がきょう合意に至りました。
横浜市 山中竹春 市長
「新たな契約は5年総額6.5億円。他のJリーグのスタジアムと比べても年額1.3億円は遜色のない金額だ」
合意内容は「5年で6億5000万円」。現在の6億円から5000万円の増額です。
ただ、経営再建中の日産にとって、合意にいたるまで一筋縄ではいきませんでした。
日産 イヴァン・エスピノーサ社長(今年5月)
「コスト削減については、今まで以上に迅速かつ徹底的に進める必要がある」
昨年度、6700億円あまりの最終赤字に転落し、2万人のリストラや7つの工場の閉鎖などでコスト削減を進める日産。命名権も来年の2月の更新を前に当初提示した額は現在の半額以下となる年間5000万円でした。
しかし、市民らから「安すぎる」との声があがり、市は名称変更も含めた異例の再検討を行っていました。
ただ、市にとっても名称変更を避けたい切実な理由がありました。およそ800か所に及ぶ標識の付け替えなどで、1億5000万円ほどの費用がかかるとされていました。
一方、日産内部からも「長年親しまれてきた名前を残したい」との声もあり方針を転換し、先月末、市に再提案していました。
日産が支払う額は1年目が5000万円、2年目が1億円と段階的に引き上げ、5年目には2億円となります。
ただ、「増額」で合意も、今年度の営業利益は2750億円の赤字の見通し。スタジアムの名は守られたものの、日産の経営再建への道筋はなお険しい状況です。
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