日本政府が近く策定する経済対策を巡って財政懸念が再燃し、17日の債券市場で超長期債利回りが大幅に上昇した。

20年物国債利回りは1999年以来の高水準に跳ね上がり、30年債利回りは前週末から5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して3.26%、40年債利回りは5.5bp高い3.6%を付ける場面があった。超長期債相場は前週末の米国や英国市場でも下落していた。

市場関係者は高市早苗政権の経済対策に伴う実際の歳出額に注目し、国債増発による債券需給の悪化リスクを見極めようとしている。17日に発表された7-9月期の実質国内総生産(GDP)は6四半期ぶりにマイナス成長となり、高市政権が主張する積極的な財政出動を促す内容だった。

岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは「投資家は政府の経済対策パッケージの規模に警戒している」と指摘。「国債発行への影響に関する不確実性が長期債に売り圧力をかけている」と述べた。

一部報道によると、2025年度補正予算の規模は前年度の13兆9000億円を上回る見通しという。大規模支出は高市首相が「責任ある積極財政」と呼ぶ方針を反映しており、成長支援のため財政政策への依存を強める姿勢を示している。

ゴールドマン・サックス・グループは、予想を上回る規模の景気刺激策への警戒感から日本の財政リスクプレミアムが再浮上し、償還までの期間が長い国債と円に圧力がかかっていると指摘。政治情勢を背景に、市場では19日の20年国債入札への懸念も高まっている。

SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは、「補正予算規模が14兆円を上回るとイールドカーブ(利回り曲線)はさらにスティープ(傾斜)化するかもしれない」と述べた。

--取材協力:ジョン・チェン.

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