中国にあるEU=ヨーロッパ連合の代表部は10日の世界人権デーに合わせて声明を発表し、中国に対し不当に拘束されている人権派の元弁護士らの無条件での即時釈放などを求めました。
声明の中で中国のEU代表部は、国連人権高等弁務官事務所が8月、新疆ウイグル自治区の人権状況について「人道に対する犯罪にあたる可能性がある」との報告書を発表したことを歓迎すると表明しました。
そのうえで、中国に対し新疆のほか、チベットや内モンゴル自治区のすべての民族の権利を尊重し、保護する義務を果たすよう求めるとしています。
また、EU議会が人権活動などに貢献した人に贈る「サハロフ賞」の受賞者、イリハム・トフティ氏や人権派の元弁護士、常イ平さん、唐吉田さんなど不当に拘束されている人たちの無条件での即時釈放を求めました。
声明では表現の自由や報道の自由、国際法を遵守し、平和的に抗議する権利を含む人権を尊重することも求めていて「ゼロコロナ」政策に反対し、中国全土で起きた抗議運動も念頭にあるとみられます。
人権問題に関する相違点については中国、EUの双方が対話を通じて議論すべきだとして、今月1日にEUのミシェル大統領と中国の習近平国家主席との首脳会談の中で、中国側が人権をめぐる対話を再開する意思を示したことを歓迎するとも表明しています。

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