(ブルームバーグ):米鉱業・建設機械大手キャタピラーは、ガスタービンの生産能力を2倍超に拡大する計画を明らかにした。ガス火力発電所の建設需要が急増する中、成長機会を取り込む。
同社は4日、発電用ガスタービンの受注残が過去最多を更新したと発表。データセンターやAI運用に必要な電力需要を満たすため、ガスタービンの生産能力を拡大すると説明した。
天然ガス需要は昨年、過去最高を記録したが、タービン供給企業は受注に追いついていない。ガス火力発電はすでに米国の発電量全体の約40%を占めており、再生可能エネルギー政策の巻き戻しを図るトランプ政権の方針とAI需要の高まりを背景にこの比率はさらに上昇する見通しだ。
ブルドーザーなどの建設機械で知られるキャタピラーは、これまで脇役的存在だったエネルギー・発電事業を急拡大させている。発電機やタービンは今や同社で最も高成長を遂げており、鉱山・建設機械中心だった事業構成が変わりつつある。
この計画の詳細は、4日開催の年次投資家説明会に先立ち公開したスライド資料で示された。ほかに売り上げ増と設備投資倍増に向け新たな成長目標も発表した。
同社は2030年までにサービス売上高300億ドル(約4兆6000億円)を目指すとした。また、同期間の調整後営業利益目標を上方修正した。
ジョーンズ・トレーディングのチーフマーケットストラテジスト、マイケル・オルーク氏はこの目標設定について、「先週の決算で示された主要テーマを裏付ける内容だ」とし、「同社はデータセンター建設の『つるはし・スコップ銘柄』そのものだ」と評した。
キャタピラーが先週発表した7-9月(第3四半期)決算ではエネルギー・輸送部門の売上高が前年同期比17%増加。これを受けて同社株は急伸した。
また同社は4日、今後数年間に発電サービス分野で見込まれる「歴史的な成長」に注力するため、エネルギー・輸送部門を電力・エネルギー部門に改めると発表。輸送サービスは資源産業セグメントに移すとした。
原題:Caterpillar to Double Gas Turbine Capacity to Feed AI Boom (2)(抜粋)
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