米国のヘグセス国防長官は3日午後、韓国と北朝鮮を隔てる非武装地帯(DMZ)を訪問した。ヘグセス氏は中国に対抗するためアジアでの安全保障協力を強化し、韓国に対する防衛責任をあらためて打ち出す目的でアジアを歴訪中で、韓国が最終訪問地だった。

ヘグセス氏は軍事境界線上にある共同警備区域(JSA)の板門店を韓国の安圭伯国防相と訪れた。米韓の国防相によるJSA訪問は2017年以来。両者はこの後ソウルに戻り、原子力潜水艦を巡る協力や長期的な防衛費用の分担などについて協議する見通し。

 

トランプ大統領をはじめ、ルビオ国務長官やベッセント財務長官ら、米政権幹部は最近相次ぎアジアを訪問していた。ヘグセス氏は韓国に先駆けてベトナムとマレーシアを訪問し、クアラルンプールでは中国の董軍国防相と会談。軍当局の間のホットライン設置に合意した。

また、インドと10年間の防衛協定に調印し、マレーシアとは安全保障協力を強化。カンボジアとは合同軍事演習を8年ぶりに再開すると発表した。

韓国で開催された先週のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に先立つ数日間、北朝鮮は新型の極超音速ミサイルと称する兵器の実験など、挑発を強めていた。金正恩朝鮮労働党総書記は韓国の李在明大統領による和平案や非核化協議を拒否する一方、トランプ氏との再会談には含みを持たせている。

トランプ氏は今回の韓国訪問で、忙し過ぎて金氏とは話せなかったが、会談が実現するならアジアを再訪問することも検討すると示唆していた。

原題:Hegseth Visits Korean DMZ as US Bolsters Security Ties in Asia(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.