(ブルームバーグ):イングランド銀行(英中央銀行)は6日の会合で、利下げを見送る見通しだ。ここ1年余りにわたり、ほぼ四半期ごとに進めてきた金融緩和のペースが一段と鈍化するとみられる。
投資家やエコノミストは、英中銀の金融政策委員会(MPC)が政策金利を4%に据え置くと予想している。英国のインフレ率はなお目標である2%のほぼ2倍の水準にあり、26日には予算案の発表も控えている。
金利が据え置かれれば、昨年8月以降の会合で隔回ごとに利下げを行ってきたパターンが途切れることになる。先月29日に追加利下げを決定した米金融当局とは対照的だ。
もっとも、今回の一時停止は長続きしない可能性がある。物価や雇用、生産の各指標が予想を下回ったことを受け、トレーダーの間では12月利下げ観測が強まっている。今週の利下げを見込む向きは少ないものの、12月18日会合での利下げ確率は約60%に達している。

ベイリー英中銀総裁は、次回の利下げ時期を巡る具体的な見通しは不透明だと警告。今回の会合は、リーブス財務相が重要な予算案を発表するわずか3週間前に開かれる。
リーブス氏は、4月に雇用主向けの税負担を引き上げたことで食品価格の上昇を招いたとも批判された。さらに、今後家計を対象とした新たな大幅増税が実施されれば、すでに停滞気味の経済には一段の下押し圧力となる恐れがある。
ブルームバーグ・エコノミクスのダン・ハンソン、アナ・アンドラーデ両エコノミストは「最近発表された一連の指標が予想を下回ったことで、今回の会合結果を巡る不確実性は高まっている。利下げの可能性はあるものの、金利は中立水準に近く、インフレ率もなお目標の約2倍に達しているため、据え置きの公算が大きい」と指摘。
「英中銀は一段の緩和に踏み切る前に、予算案の全体像を把握したいところだろう。われわれは、英中銀がインフレ指標の明確な鈍化トレンドを確認するまで利下げを再開しないとみており、それは恐らく来年4月ごろになるだろう。リスクは早期の利下げ方向に傾いており、来年2月または今年12月にも実施される可能性がある」と分析した。
原題:BOE Set to Hold Rates as UK Budget Looms Over Decision: Eco Week(抜粋)
--取材協力:Ott Ummelas、Carla Canivete、Swati Pandey、Laura Dhillon Kane、Vince Golle、Monique Vanek、Robert Jameson、Mark Evans、Charlie Duxbury.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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