(ブルームバーグ):国連のハク事務総長副報道官は30日、トランプ米大統領が、核兵器の実験開始を国防総省に指示したことについて、核実験は決して許容されないというグテレス事務総長のメッセージを伝え、異例の直接批判を行った。
ハク副報道官は記者団に対し、「過去80年間に実施された2000回余りの核兵器実験が残した壊滅的な遺産を忘れてはならない」と述べ、「核実験はいかなる状況下でも許されない」とグテレス事務総長は考えていると強調した。
トランプ大統領は中国の習近平国家主席との首脳会談を数時間後に控えたタイミングで、「他の諸国と対等な立場で核兵器の実験を開始するよう戦争省(国防総省)に指示した。そのプロセスは直ちに開始される」とトゥルース・ソーシャルに投稿した。

もっともロシアと中国は現在、核実験を行っておらず、トランプ氏の投稿内容が何を指しているか明らかでない。ロシアは核弾頭を搭載できる無人原子力潜水艇(核魚雷)と原子力推進式巡航ミサイルの実験を最近相次いで実施した。
トランプ氏の投稿の真意を巡り多くの疑問が生じた。核爆発を伴う実験ではなく、原子力推進式兵器と核弾頭を搭載可能な兵器の実験を命じたのかはっきりせず、どちらを指すかで影響は大きく異なる。米国は1992年を最後に核爆発実験を行っておらず、再開すれば33年ぶりとなる。
この件について質問されたバンス副大統領は30日、核拡散抑止に政権は取り組んでおり、トランプ大統領も引き続きそのように行動すると語った。
原題:UN Warns of Nuclear Escalation Risk After Trump Orders New Tests(抜粋)
--取材協力:Catherine Lucey.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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