米動画配信大手Netflixは30日、1株を10株にする株式分割を取締役会が承認したと発表した。ストックオプション制度に参加する従業員が株式を取得しやすくするのが狙いだ。

Netflixにとって今回の株式分割は過去10年間で2回目となる。2015年7月に1対7の株式分割を実施。また04年にも1対2の株式分割を行っている。

同社の利益は市場予想を上回り続けており、メディア業界の競合を圧倒してきた。7月には、人気番組の安定供給やドル安の追い風を受けて、通期の売上高および利益率の見通しを上方修正している。

この時点で時価総額は5000億ドル(約77兆円)超に達し、ウォルト・ディズニーとコムキャスト、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの3社を合わせた規模を上回った。

30日のニューヨーク株式市場でNetflix株は1089ドルで取引を終え、時間外取引で約3%上昇した。年初来では22%高。S&P500種株価指数の構成銘柄で株価1000ドル超の10社に名を連ねている。

Netflix株は今月の7-9月(第3四半期)決算発表後に下落。ブラジル当局との税務を巡る問題の影響で利益が押し下げられ、将来の成長への懸念が高まり、10%値下がりした。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、ジータ・ランガナサン氏はリポートで株式分割について、「6月の高値から19%縮小したバリュエーションを押し上げる可能性がある」と指摘。「広告事業の拡大、確固たる価格決定力、高い顧客エンゲージメントに支えられたファンダメンタルズ改善が、バリュエーション上昇のより大きな原動力となるだろう」と分析している。

Netflixによれば10日の取引終了時点の株主には、保有する1株につき9株の追加株が割り当てられる。株式は17日の取引開始時に、分割調整ベースで売買が開始される。

原題:Netflix Announces 10-for-1 Stock Split to Benefit Employees (1)(抜粋)

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