(ブルームバーグ):31日朝の外国為替市場の円相場は対ドルで154円台前半と2月以来の安値圏で推移。日本銀行の植田和男総裁の記者会見を受け早期利上げ期待が薄れ、円売り・ドル買いが進んだ。米国の12月利下げ観測の後退もドルを支えた。
三菱UFJ信託銀行ニューヨーク支店資金証券室の小野寺孝文ファーストバイスプレジデントは「米連邦公開市場委員会(FOMC)がタカ派的な利下げだったことや植田総裁発言で目先の利上げへの警戒感が薄れたことで円売りが優勢。月末のドル需要もあってドルはしっかり」と話している。
30日の海外市場で円は対ドルで一時154円45銭に下落。2月13日以来の安値を付けた。米10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp)高い4.1%程度で終了。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%上昇した。
野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは31日のリポートで、中銀イベントをこなし値動きは抑制されやすくなるが、「日銀タカ派化が限定的となり、高市政権の円安許容度を試す展開が目先は維持されやすい」と指摘。155円前後までのドル・円上昇を意識する必要があるとの見方を示す。
午前8時30分には10月の東京都区部消費者物価指数(CPI)が発表される。生鮮食品を除くコアCPIはやや伸びが強まる見通し。予想比で上振れすると日銀利上げ期待が高まり、円の支えとなる可能性がある。
 
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