日産自動車は30日、これまで未定としていた今期(2026年3月期)の営業損益は2750億円の赤字になるとの見通しを明らかにした。前期は698億円の黒字だった。

発表によると、4-9月(上期)の営業赤字額見通しは300億円と従来の1800億円から大幅に縮小する。今回の業績修正の背景には環境規制関連費用の低減などの一時的な要因と、コスト削減の一環で予定していた一部の研究開発プロジェクトの実施を下期に変更したことがあるとしている。通期の見通しには2750億円の米国の関税影響を含むという。売上高の見通しについては11兆7000億円と従来予想の12兆5000億円から下方修正した。

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通期の純損益については経営再建計画に関する費用を算定中であるため、引き続き未定とした。11月6日に予定する第2四半期決算発表で最新の情報を開示する予定だとした。

SMBC日興証券の牧一統アナリストは23日付のリポートで、米国市場などにおける販売改善により着実な再建が進んでいる状況と指摘していた。

米国や中国などでの販売不振で業績が悪化した日産は4月に就任したイヴァン・エスピノーサ社長の下で資金調達やリストラを加速。国内主力の追浜工場(神奈川県横須賀市)を含め生産能力や人員の削減を急ピッチで進め、建て直しを図っていた。

日産のジェレミー・パパン最高財務責任者(CFO)は声明で、下期はサプライチェーン(部品供給網)のリスクや事業の季節性要因などで「引き続き厳しい環境になる」と想定していると説明。これまで同様、再建計画の目標達成に向けて取り組んでいくとした。

第2四半期の営業損益に関しては500億円の黒字と、従来の1000億円損失から赤字脱却を果たす見通しを示したものの、ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは、費用計上のタイミングのずれや為替による部分が大きく、一過性要因だとして「ポジティブには受け止めづらい」と評価。下期には赤字が大きく拡大する見通しで、「前途は厳しい」と述べた。

サプライチェーンリスクの詳細について、パパン氏は会見でオランダの半導体メーカー、ネクスペリアの半導体輸出への制約と北米のアルミメーカー工場で発生した火災の影響を注視していると述べた。供給リスクと販売に合わせて行った生産調整の影響で売上高の見通しを下方修正したという。

パパン氏は厳しい競争環境の中で、他社との競争の激化やインフレの問題にも直面しているとした上で、「これらの逆風の中でも、当社は下期にキャッシュフローをプラスにすることを目指している」と述べた。

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