トランプ米政権は、中国製品に対する新たな関税導入の可能性を開く貿易調査に乗り出した。来週予定されている米中首脳会談を前に緊張が高まっている。

グリア米通商代表部(USTR)代表は24日、トランプ政権1期目の2020年に米中が結んだ第1段階の貿易合意を中国が順守しているかどうかを調査すると明らかにした。

USTRは声明で、この調査では「中国が第1段階合意に基づく約束を完全に履行しているかどうか、中国による約束の不履行があった場合、米国の商業活動にどのような負担や制限をもたらしているか、その場合、どのような措置を取って対応すべきかを検討する」と説明した。

トランプ大統領と習主席

今回の動きは、米中の緊張を一段と悪化させる恐れがある。また、来週30日に韓国で予定されているトランプ大統領と中国の習近平国家主席との会談では、トランプ氏にとっての新たな交渉材料となる可能性がある。

調査は通商法第301条に基づき実施される。同条項は、有害な貿易慣行があると判断した国からの輸入品に対し、米政権が調整措置を講じることを認めている。こうした調査は通常、数カ月以上に及ぶが、大統領が一方的な関税を発動するための法的根拠となる。

トランプ大統領が1期目に中国と結んだ貿易合意は、中国による米国産農産物の購入拡大の約束が一部基になっていたが、これが今年に入り再び摩擦の火種となっている。

トランプ政権が2期目を迎えてから、米中は報復の応酬を繰り返しており、通商協議を継続するための関税休戦が成立していたものの、ここ数週間で再び両国間に緊張が見られる。休戦は11月中旬に期限を迎える予定だ。

トランプ政権は、中国に対して新たなテクノロジー輸出規制をかける一方、中国はエネルギーや半導体、運輸など多くの分野で不可欠なレアアース(希土類)鉱物の輸出規制に動いている。トランプ氏は、中国がレアアース制限を緩和しない場合、11月1日から新たに100%の関税を課すと警告している。

貿易摩擦の影響で、中国は米国産大豆の購入を停止しており、米国の農家に打撃を与えている。それでもなおトランプ氏は、貿易を含む幅広い分野で習主席と合意に達すると予想しており、待望の首脳会談への期待が高まっている。

原題:US Launches Fresh China Tariff Probe Ahead of Trump-Xi Meeting

(抜粋)

(詳細を加えます)

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.