(ブルームバーグ):電気自動車(EV)メーカーの米リビアン・オートモーティブは、米EV市場の不安定な状況に対処するため、全従業員の約4.5%に相当する600人余りを削減する。
ブルームバーグが内容を確認した社内メモによると、RJ・スカリンジ最高経営責任者(CEO)は、新型モデル「R2」の発売を控え、収益性を確保しながら規模拡大を図る必要性から、構造調整の一環として人員削減を行うと述べた。
さらに、複数ある機能を一つのマーケティング組織に統合し、自身が暫定責任者を務めることを明らかにした。また、サービス、配送、販売の各チームを合理化する。
ブルームバーグはこれより先に、匿名を条件に語った関係者の話として、同社の人員削減ではサービス部門と販売部門に照準を定めていると報じていた。同社の2024年末の従業員数は約1万5000人だった。
この件についてリビアンの広報担当者はコメントを控えた。
同社の人員削減は、トランプ大統領の下でEVメーカーが直面する問題の深刻さを浮き彫りにする。トランプ政権は最近、EV購入向けの税控除を廃止し、燃費や排ガス基準を事実上無効にすることで、自動車メーカーに収益性の高いガソリン車への転換を促している。こうした政策が、不安定なEV需要にさらに追い打ちをかける恐れがある。
リビアンは8月、関税と政策の変更を理由に、主要な財務目標から後退。今年は粗利益ベースでわずかながらも黒字になると当初は見込んでいたが、収支トントンに見通しを引き下げた。
リビアンの株価は23日、1.3%高で取引を終えた。人員削減については米紙ウォールストリート・ジャーナルが先に報じていた。
原題:Rivian Cuts About 600 Jobs in Latest Setback for EV Maker (1)(抜粋)
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