(ブルームバーグ):10月第5週(27-31日)の債券市場は利回り曲線にフラット(平たん)化圧力がかかる見込みだ。日本銀行の金融政策決定会合は据え置き予想が多い中、利上げが近いことが示されると中長期債に金利上昇圧力がかかる。一方、超長期債は相場環境の良さが継続し、金利低下圧力が加わる可能性がある。
市場参加者の見方
◎みずほ証券の大森翔央輝チーフ・デスク・ストラテジスト
- 利回り曲線のフラット化を基本シナリオとする。米連邦公開市場委員会(FOMC)がハト派なら、グローバル金利の低下でまず超長期債に買いが入りやすい
- 日銀会合後の植田和男総裁の会見は、12月または来年1月の利上げを見据えた地ならしとして、ややタカ派寄りの発言が行われる可能性
- 12月利上げを示唆する発言があれば、主に2-5年セクターが売られ、カーブはフラット方向に傾く
- FOMCと日銀の動きは主に為替、短中期金利と政策金利期待に影響し、トランプ米大統領やベッセント財務長官の来日など政治イベントは為替や超長期債のリスクプレミアムに作用しよう
- 新発10年債利回り予想レンジ1.58-1.72%
◎SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジスト
- 超長期債が最近結構しっかりしており、市場は財政政策を巡る不確実性が低下したと見ているようだ
- 日本から米国への80兆円の直接投資の詳細はまだ出ていないが、ドル調達が増えるならドル・円の上昇要因になり、日銀は利上げしやすくなる
- 利上げは来年1月がメインシナリオで、12月の可能性も
- 日銀が利上げすれば、中長期金利は上昇する一方、超長期金利はどちらかというと低下し、利回り曲線にフラット化圧力が加わってくる
- 新発10年債利回り予想レンジ1.64-1.69%
国債入札
日銀買い入れ
主な材料
- 27日:トランプ米大統領が来日(29日まで)
- 29日:FOMC、声明発表、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が会見
- 30日:日銀金融政策決定会合の結果発表と経済・物価情勢の展望(展望リポート)、植田総裁が会見
- 30日:7-9月の米国内総生産 (GDP)速報値
- 30日:欧州中央銀行(ECB)が政策金利を発表、ラガルド総裁が会見
- 31日:10月の東京都区部消費者物価指数(CPI)
- 31日:アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(11月1日まで)
--取材協力:グラス美亜.
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