人工知能(AI)を活用した投資戦略を売りにしてきたローン担保証券(CLO)投資家が、経営破綻した自動車部品メーカー、ファースト・ブランズ向けの融資に異例の集中投資を行っていたことが分かった。

事情に詳しい関係者によると、投資会社アンセリオン・キャピタル・パートナーズは先月時点で、約4億ドル(約607億円)規模のCLOの一部として、約500万ドル相当のファースト・ブランズ債務を保有していた。その後、同社はこれらの債務を全て売却したという。

アンセリオンはファースト・ブランズの債務を額面1ドル当たり90セント以上、平均で70-90セント程度で売却を開始した、と関係者は述べた。これによりファースト・ブランズの他の債権者の一部が現在直面しているような深刻な損失を回避できたもようだ。

アンセリオンの共同創業者ブサル・ナジャフォフ氏はコメントを控えた。

アンセリオンの保有規模は他の債権者に比べれば小さいものの、今回の投資は、ファースト・ブランズの債務がいかにウォール街全体に浸透していたかを示している。

アンセリオンは、同社のAIプラットフォームが投資家が見落とすような微妙な市場のシグナルを捉えることができるとアピールしてきた。しかし、今回のファースト・ブランズへのエクスポージャーは、AIが決して完璧ではないことを浮き彫りにした形だ。

原題:AI-Powered CLO Investor Built an Outsized First Brands Position(抜粋)

--取材協力:Aaron Weinman、Paula Seligson.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.