啓発活動が行き過ぎてしまうと、依存症に苦しむ人々を逆に孤立させ、回復を妨げているかもしれない。

今回は、薬物依存治療の第一人者である松本俊彦さんをお招きし、日本の依存症対策の「次」を考えます。
なぜ「ダメ。ゼッタイ。」のような啓発が行き過ぎると、当事者を社会から排除してしまうのか。「ネズミの楽園」実験を参考に、依存症の原因が「孤独」にあるかもしれないこと、 依存の対義語は“つながり”であることなどを紐解いていきます。

<出演者>
▽松本俊彦
精神科医
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長。1993年佐賀医科大学卒、横浜市立大学医学部附属病院精神科、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所司法精神医学研究部、同研究所自殺予防総合対策センターなどを経て、2015年より現職。
2017年より国立精神・神経医療研究センター病院薬物依存症センターセンター長。第7回日本アルコール・アディクション医学会柳田知司賞受賞、日本アルコール・アディクション医学会理事。

▽市川衛
医療の翻訳家
東京大学医学部健康科学看護学科卒、元NHKディレクター。2016年スタンフォード大学客員研究員を経て、2021年にNHKを退職。
“医療の翻訳家” として、医療・健康・いのちに関わる難しい情報を、わかりやすく、役に立つ形で翻訳して多くの人に届けることを人生の目標として、執筆やメディア活動、大学の教員などの活動をしている。
現在、武蔵大学社会学部メディア社会学科准教授、広島大学医学部客員准教授、READYFOR株式会社認定パートナーも務める。

<収録日>
2025年9月26日