ソフトウエアメーカーの米オラクルは16日、人工知能(AI)向け大型インフラ事業における粗利益率の見通しを発表した。これを受け、米金融市場では収益性への懸念が和らいだ。

ラスベガスで開催された年次会合の投資家向けプレゼンテーションで同社は、データセンターなどのAI処理向けインフラ事業について、6年間の売上高が累計600億ドル(約9兆200億円)に上るプロジェクトを一例に、粗利益率を35%とする予測を示した。

 

クレイ・マグワイク共同最高経営責任者(CEO)はアナリストとの会見で、こうした利益率は「大口顧客でも当てはまる」と述べた。

発表を受けて同社の株価は上昇し、一時約5%上昇した後、3.1%高の313ドルで終了した。だが同社全体の長期売上高・利益見通し公表後の時間外取引では一時2%近く下落した。

オラクルは既にオープンAIやメタ・プラットフォームズ、イーロン・マスク氏のxAIなどとAIデータセンター開発で大型契約を結んでいる。こうした契約が同社の評価を押し上げる一方、投資家からは収益性を巡り懸念の声が上がっていた。

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、アヌラグ・ラナ氏は、今回の開示が「利益率低下への懸念を緩和する助けになる」と指摘した。テクノロジーニュースサイトのジ・インフォメーションは先週、一部のAIクラウド案件で利益率が14%だったと報じていた。

オラクルは、2030年度の年間売上高が2250億ドルになるとの見通しを示し、ブルームバーグ集計のアナリスト予想平均1980億ドルを上回った。調整後1株利益は21ドルを見込む。市場予想平均は18.50ドルだった。

 

原題:Oracle Eases AI Profit Fears by Saying Margins Can Be 35% (2)(抜粋)

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