米セントルイス連銀のムサレム総裁は、減速する労働市場を下支えするため、あと1回の追加利下げを支持する可能性があると述べた。ただ経済の不確実性を踏まえ、政策判断は会合ごとに行うべきだと強調した。

総裁は17日、ワシントンでのイベントで、労働市場にさらなるリスクが浮上した場合、そして持続的なインフレのリスクが引き続き抑制されている状況であれば、1回の追加利下げを伴う道筋を支持することも可能だ」と発言。「あらかじめ決められた道筋を進むべきではないと考えている」と述べた。

イベントでのムサレム総裁の発言(抜粋)

今年に入り雇用の伸びが急減速したことで労働市場に対する懸念が高まり、連邦公開市場委員会(FOMC)は9月会合で政策金利を0.25ポイント引き下げた。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は今週、10月会合で追加利下げを実施する方向にあると示唆した。

ただムサレム氏を含む複数の当局者は、FRBの目標をなお上回り、上昇傾向にあるインフレへの警戒を呼び掛けている。

ムサレム氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「現時点では、会合ごとに判断することが特に重要だと思う」と発言。

現在の政策スタンスについては、「やや景気抑制的と中立との間のどこかにある」との認識を示した。

「慎重に行動すべきだと述べたのはそのためだ」とムサレム氏。「金融政策は過度に緩和的になる恐れがあり、追加緩和の余地は限られていると私はみている」と述べた。

原題:Fed’s Musalem Says Could Support Another Cut, Policy Not Preset(抜粋)

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