トランプ米大統領は17日、ロシアのプーチン大統領が再会談に同意することで時間稼ぎをしている可能性があることを認めた。

トランプ氏はこの日、ウクライナのゼレンスキー大統領とホワイトハウスで会談。会談の冒頭、今もプーチン氏は戦争を終わらせたいと考えていると記者団に語り、プーチン氏に操られているとの懸念を一蹴した。

プーチン氏が時間稼ぎを狙っているのではと懸念しているかとの問いに対しては「ああ、そう思う」と答えた。

「しかし、これまで多くの人に利用されてきたが、最終的には非常にうまくやってきた」と語り、「かなりこうしたことが得意だと思う。プーチン氏は合意を望んでいる」と続けた。

会談は和やかな雰囲気だったが、トランプ氏とゼレンスキー氏の間に大きな溝があることも浮き彫りになった。

トランプ氏は、和平交渉についてプーチン氏が「実現したがっている」と発言。一方、ゼレンスキー氏は「われわれは平和を望んでいるが、プーチンは望んでいない」とし、ロシアを交渉の場に引き出すため、米国の支援と先端兵器の供与を求める立場を明確にした。米国による安全の保証も改めて求めた。

トランプ氏は前日、プーチン氏と電話協議を行い、ハンガリーの首都ブダペストで会談することで合意。再び8月の米アラスカでの会談のような展開になるとの懸念が出ている。同会談では停戦に向けた進展がほとんど得られなかった。

トランプ氏はまた、ゼレンスキー氏が求めている巡航ミサイル「トマホーク」の供与について「われわれもトマホークが必要だ。自国を守るために必要な装備を手放したくはない」と記者団に語り、改めて慎重な姿勢を示した。

米軍の最先端兵器の一つであるトマホークが供与されれば、ウクライナ軍にとってはロシア領の奥深くを攻撃することが可能になり、将来の和平協議で交渉力を高める手段にもなり得る。

トランプ氏はこれまで「戦争が終結しないなら、トマホークを送るかもしれないと伝えるだろう」と述べるなど、プーチン氏との協議でトマホーク供与を交渉カードとして使う考えを示唆していた。

原題:Trump Admits Putin May Be Stalling for Time With Meeting (1)(抜粋)

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