(ブルームバーグ):米国の投資適格社債市場では9月に過去最高となる2070億ドル(約30兆4000億円)が調達された。引き受けランキング首位のバンク・オブ・アメリカ(BofA)の予想を上回った。
ブルームバーグがまとめたデータによると、9月の発行額は過去5番目に大きく、新型コロナウイルス禍の時期を除けば過去2番目の規模だった。借り入れコストの低下に加え、依然として魅力的な利回りを求める投資家の旺盛な需要を背景に、企業は将来償還を迎える債券の借り換えや、M&A(企業の合併・買収)や設備投資に充てるための資金調達を前倒ししている。
BofAの投資適格シンジケート責任者ダン・ミード氏(ニューヨーク在勤)はインタビューで「9月がこれほど忙しくなるとは少し驚いた。活発になるとは見ていたが、記録的な月になるとは思っていなかった」と述べた。
世界的にM&Aが過去最高のペースで進む中、今後もM&A資金や人工知能(AI)分野への投資の多くが投資適格市場で調達され、年間を通じた発行額を押し上げる可能性が高いとミード氏はみている。
オラクルは9月に180億ドルを投資適格市場で調達。今年2番目の規模の案件となった。同社はAI需要拡大に対応するための投資を加速している。
ミード氏は「米企業のマインドは成長ストーリーへと移りつつある。それが設備投資の増加につながり、発行体の資金需要をさらに押し上げるだろう」と語った。
ブルームバーグのランキングによると、BofAは今年の米投資適格社債市場において、自己主導案件を除いたシェアが約9.78%と、首位を占めている。
旺盛な発行ラッシュは投資家の強い需要と合致し、スプレッドは過去約30年で最もタイトな水準近くにとどまっている。ミード氏は、年金保険(アニュイティー)ビジネスの好調を背景に、保険会社から投資適格市場へ流入する資金が大幅に増えていると指摘した。
需要は保険会社に限らず、年金基金や海外投資家からも資金が流入しているという。
「これだけの投資資金がこの市場に投じられているのだから、スプレッドがこれほどタイトに推移しているのも不思議ではない」とミード氏は語った。
ミード氏は、年内残り期間の発行ペースは大幅に鈍化し、10-12月として平均的な水準に戻ると予想している。引き受け業者への非公式調査によれば、10月の社債発行額は約900億ドル程度になる見通し。
9月のペースが「今年いっぱい続くとは思わない。調達が前倒しで進んだからだ」と同氏は説明した。
原題:BofA Surprised by September’s Record Corporate-Bond Binge (1)(抜粋)
--取材協力:Gowri Gurumurthy.
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