南アフリカとナイジェリアは10月中にもマネーロンダリング(資金洗浄)の監視強化対象国・地域「グレーリスト」から除外される見込みだ。アフリカ大陸の二大経済国にとって転機となる。

両国は、違法資金の流れに対する取り締まりが不十分だとして国際組織「金融活動作業部会(FATF)」から2023年2月に監視強化の対象に指定された。

FATFはここ数週間で南アとナイジェリアのほか、ブルキナファソとモザンビークでも現地調査を実施。協議が非公開であることを理由に匿名で話した関係者によると、いずれの国も行動計画に関するフィードバックで著しい進展が認められた。

パリで行われるFATF総会の最終日である24日に4カ国全てがリストから外れる見通しだという。最終決定はまだ下されておらず、米国や英国、欧州委員会、中国、日本、インドなどを含むFATFメンバーの合意が必要となる。

オールスプリング・グローバル・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、ローレン・バン・ビリヨン氏は、南アとナイジェリアのグレーリスト除外は「センチメントにとって確実にプラスだ」と述べた。

同氏はさらに、除外は「グレーリスト入り後に実施された改革と各措置が、実質的であり、かつ定着していることの裏付けになる」とし、市場への直接的な影響は限定的だが、資産価格の短期的な上昇はあり得ると指摘した。

FATFのグレーリストは、マネーロンダリング対策が不十分と判断された国に適用され、そうした国々での事業展開に慎重な世界中の投資家から注視されている。リストに追加された国・地域はより厳格な監視が必要となり、金融システムの信頼性に深刻な疑念を生じさせる。

国際通貨基金(IMF)の21年報告書によれば、グレーリスト入りした国では「資本流入の大幅かつ統計的に有意な減少」が確認されている。

原題:S. Africa, Nigeria Set to Exit Dirty-Money List Next Month (1)(抜粋)

--取材協力:Katarina Hoije、Matthew Hill.

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