(ブルームバーグ):ニューヨーク州都市交通局(MTA)は地下鉄やバスの基本運賃を3ドル(約440円)に来年1月4日前後に引き上げる。10セントの値上げとなる。
ニューヨーク市の公共交通機関を運営するMTAの理事会が運賃引き上げ案を9月30日に承認した。MTAが前回値上げを実施したのは2023年。
ロングアイランド鉄道とメトロノース鉄道の週・月単位の運賃は最大で4.5%引き上げ。片道運賃は最大8%上がる。今回の値上げに伴う追加収入は、インフレや人件費上昇に直面するMTAの運営予算に充てられる。
ニューヨークでの運賃引き上げは、米国の他地域に比べると控えめに映る。ニューヨーク州議会が、連邦政府による新型コロナウイルス禍関連の支援縮小を補うため、MTAに振り向ける資金を増やしてきたためだ。
フィラデルフィアでは公共交通機関の運賃が、財源面の危機に対処するため先月21.5%上げられた。ニュージャージーでの運賃も24年に15%引き上げられ、今年7月にさらに3%上昇した。
MTAのジャノ・リーバー最高経営責任者(CEO)は、サービス維持と職員への適切な賃金引き上げのために必要な措置だと説明している。
MTAは米最大の公共交通・通勤鉄道システムで、平日の乗車件数は約600万。地域経済にとって極めて重要で、人口密集地での不可欠な交通サービスとなっている。
原題:NYC’s Transit System Raises Fares, Tolls as MetroCard Nears End(抜粋)
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