(ブルームバーグ):米アマゾン・ドット・コムは9月30日、音声アシスタント「アレクサ」を搭載するスマートスピーカー「エコー」とディスプレー付きスピーカー「エコーショー」を刷新した新製品を発表した。ハードウエア事業の再構築に向けた取り組みの一環。
「エコードット・マックス」は価格が100ドル(日本では1万4980円)で、アップルやアルファベット傘下グーグルの同価格帯製品に対抗する。オーディオ愛好家向けの最上位機種「エコースタジオ」は220ドル(同3万9980円)。「エコーショー」シリーズでは二つの新モデルを用意。8インチが180ドル(同3万4980円)、11インチが220ドル(同3万9980円)。

米国での予約受付は9月30日に開始。エコーは10月29日、エコーショーは11月12日に発売する。
これら新製品は、マイクロソフトの最高製品責任者を務め、高級感あるデザイン感覚で知られるパノス・パネイ氏がアマゾンに移籍して以来、初めて全面刷新されたモデルとなる。パネイ氏は2年前からハードウエアとアレクサ部門を統括し、よりシンプルで高級感のあるデザインやデバイス内蔵チップのアップグレードを推進してきた。
パネイ氏はニューヨークでの発表前にブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、エコードット・マックスについて、「これまで作られた同サイズのスピーカーとして史上最高の音を出す」と語り、「500ドルのスピーカーを5台も必要としない」と述べた。
新型エコーシリーズは、生成人工知能(AI)技術による新たなAIアシスタント「アレクサプラス」を標準搭載する初の製品となる。
一見して最も目立つ変化は、ハードウエアデザインだ。エコードット・マックスとエコースタジオは、3Dニット生地を採用し従来の安価な素材や断片的なデザインから一新。統一的なデザインで、聴取時は「耳」が、処理時は「眉」が、発話時は「口」が光るといった動作を知らせるシステムを搭載する。一方、エコーショーの新機種は、ベゼルを細くしたスリムで高級感のあるディスプレーで、8インチと11インチモデルはタブレットのような外観となった。
エコードット・マックスは従来機の約2倍のサイズだが、高さ4インチ(約10センチメートル)、重量約1ポンド(約450グラム)と依然コンパクトだ。新しいウーファーとツイーターを組み合わせた2ウェイスピーカーシステムを採用した。エコースタジオは前モデル比で40%小型化しつつ、より大型のウーファーや3基のフルレンジドライバーを備え、ドルビーアトモスなどにも対応した。
エコーショーの新機種は、解像度の向上や広視野角、高感度のタッチ技術、改良スピーカーを搭載。外観はアップルの「iPad」などの高級タブレットに近づいた。
原題:Amazon Debuts Revamped Echo Speakers, Displays in Devices Reboot(抜粋)
--取材協力:Chris Welch、Matt Day.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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