(ブルームバーグ):米大リーグ(MLB)のタンパベイ・レイズが、フロリダ州の実業家で富豪のパトリック・ザルプスキ氏率いる投資家グループに売却されることが決まった。オーナーのスチュー・スターンバーグ氏との間で合意に至った。
球団の9月30日の発表によると、売却はMLB各球団のオーナーによって全会一致で承認された。
レイズは今季ア・リーグ東地区で4位に終わり、プレーオフ進出を逃した。2024年10月にハリケーンで本拠地トロピカーナ・フィールドが損壊したため、25年シーズンはニューヨーク・ヤンキースの春季キャンプ施設でホーム戦を開催した。新オーナー陣は来季の本拠地復帰を見込んでいる。
レイズは売却に関する発表資料で金額を開示しなかったが、スポーツ専門メディアのジ・アスレチックは売却額は約17億ドル(約2510億円)と先に報じていた。
ザルプスキ氏は住宅建設を手がける上場企業ドリーム・ファインダーズ・ホームズを2008年に創業。最高経営責任者(CEO)兼会長を務めており、同社のクラスB株をすべて保有し、議決権の84%を握る。現在の株価に基づくと保有株の価値は約15億ドルになる。
ザルプスキ氏は発表資料で「誇るべき歴史と明るい未来を持つレイズの運営を担えることは大変な名誉だ。レイズファンに応える責任に大きなやりがいを感じている」と述べた。
投資家グループには、ユニオン・ホーム・モーゲージのビル・コスグローブCEOと、複数のマイナー球団を所有するケン・バビー氏が参加。ザルプスキ氏とコスグローブ氏がレイズの共同会長を務め、バビー氏がCEOとして日常業務を統括する予定だ。
今回レイズを売却したスターンバーグ氏はゴールドマン・サックス・グループの元パートナー。2004年にレイズを約2億ドルの評価額で取得しており、大きな投資利益を上げた。オーナー在任中、ワールドシリーズ制覇こそなかったものの、08年以降の勝率はMLBで3番目に高く、9度のプレーオフ進出を果たした。新球場建設交渉は実らなかったが、経営手腕は高く評価されている。
原題:Billionaire Homebuilder Zalupski Buys Baseball’s Tampa Bay Rays(抜粋)
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