(ブルームバーグ):米銀大手JPモルガン・チェースは、預金と投資の残高が100万-500万ドル(約1億5000万円-7億4000万円)の富裕層に特化したサービスの提供を米国内の数十支店に拡大する。ジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が取り組んでいる資産運用分野でのシェア拡大策の一環。
24日の発表によると、同行はJPモルガン・プライベート・クライアント部門のバンカーを、ニューヨーク、コネティカット、フロリダ、テキサスの米4州の53店舗に配置する。 こうした「マスアフルエント(大衆富裕層)」層を対象としたサービスは既に18の金融センターと15の支店で展開しており、今回は拠点網を広げて拡充する。
約1年前に創設されたプライベート・クライアント部門は、預かり資産15万ドル以上を対象とするチェース・プライベートクライアント部門、超富裕層向けのJPモルガン・プライベートバンクとは区別される。新部門創設のきっかけは2023年に破綻したファースト・リパブリック銀行の買収だ。同行は富裕層向けサービスに特化していたが、政府管理下で破綻し、JPモルガンが買収した。
JPモルガンの富裕層向けバンキング責任者スティービー・バロン氏はインタビューで、ファースト・リパブリックの事業モデルが「適切な価値提案や商品、販路をどう構築するかを考える手掛かりになった」と述べた。急速に増加しながらも細分化された顧客層は「市場の中で十分にサービスを受けておらず、当社が特に注力している部分だ」と説明した。
資産運用業務は近年、ウォール街全体で重要な競争領域となっている。収益の安定性を求め、大手から中堅まで各銀行が同分野に注力している。ダイモン氏は5年以上前から、超富裕層にとどまらず、いわゆるマスアフルエントの取り込みを狙った成長戦略を打ち出している。
原題:JPMorgan Adds Millionaire Wealth Offering to Dozens of Branches(抜粋)
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