トランプ米大統領は30日、世界各地から招集した米軍幹部を前に、米国は「内側からの侵略」と戦っていると語った。こうした会合は極めて異例のこと。トランプ氏は国境警備や「woke(ウォーク)」文化の排除に重点を置いた自身のビジョンに基づき、政治色の強い演説を行った。

「われわれは数兆ドルを使って外国との国境を守ってきた。現在は諸君の協力を得て、われわれの国境を守っている」とトランプ氏はバージニア州のクアンティコ海兵隊基地で演説。「敵は内部に潜んでいる。手に負えなくなる前に対処しなくてはならない」と語った。

トランプ氏の演説は7つの戦争を終わらせたとする持論や、腐敗したメディアとの闘争、政治的正しさ(ポリティカルコレクトネス)の一掃といった、おなじみのテーマが色濃く、米軍最高指揮官としての大統領による演説としては異色の内容。選挙集会のような語調となった。さらに気に入らない軍幹部は解雇する用意があるとも発言。この会合で当初、唯一の基調演説を予定していたヘグセス国防長官もこれより先、同様の発言をしていた。

「私の発言が気に入らないなら、この部屋を出て行くがよい」とトランプ大統領は言明。「もちろんそうすれば階級も将来も失うことになる。しかし気楽な気持ちでいて大丈夫だ。なぜならわれわれは皆、同じチームだからだ」と続けた。

原題:Trump Tells Top Military Brass US ‘Under Invasion From Within’(抜粋)

--取材協力:Roxana Tiron、John Harney、Iain Marlow、Anthony Capaccio、Jordan Fabian、Meghashyam Mali.

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