ソフトバンクグループのビジョン・ファンドは、最大20%の人員削減を検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。同社を率いる孫正義社長が人工知能(AI)分野への大型投資を進めている中でのファンド縮小となる。

3月末時点で約282人を雇用していたビジョン・ファンドは、50人以上の削減が見込まれる。非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語った。AIへの巨額投資に傾く孫氏の戦略の中で、ここ数年縮小し続けているビジョン・ファンドの重要性は相対的に低下している。

孫氏(7月)

孫氏の最近の動きとしては、対話型AI「ChatGPT」を展開する米OpenAIに約300億ドル(約4兆4400億円)を投じる計画や、規制当局の審査を受けている65億ドル規模の半導体設計企業アンペア・コンピューティング買収などがある。ソフトバンクGはこれまでOpenAIに約100億ドルを投資している。

ソフトバンクGはまたOpenAIおよび米オラクルと連携し、米国内でAIデータセンターなどを整備する総額5000億ドル規模の「スターゲート」構想を推進。孫氏は台湾積体電路製造(TSMC)との協力を模索しながら、1兆ドル規模のAI産業パーク構想にも取り組んでいる。

ビジョン・ファンドの広報担当者は人員削減が予定されていることを認めたが詳細には触れず、「長期戦略を最適に実行するため、常に組織を調整している。AIや画期的なテクノロジーへの大胆かつ確信度の高い投資を行う」と電子メールで説明した。

人員削減についてはロイター通信が先に報じていた。ビジョン・ファンドは大規模なAI投資の資金を確保するため、主要資産の売却を進めている。

原題:SoftBank Vision Fund Mulls 20% Job Cuts After Son’s Pivot to AI、CORRECT: SoftBank to Lay Off About 20% of Vision Fund Team: Rtrs(抜粋)

(ブルームバーグの取材を追加して更新します)

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