(ブルームバーグ):ダフィー米運輸長官は9日、政府機関の閉鎖が続けば、11月下旬の感謝祭の移動シーズンに米国の航空便がほぼ麻痺状態に陥る恐れがあると警告した。連邦職員への給与支払いが滞るなか、航空管制官の間では無給勤務を拒む動きが広がっている。
ダフィー氏はFOXニュースの番組で「感謝祭シーズンが近づくにつれ、家族のもとへ向かう旅行者は増えるだろうが、空の便はほぼ停止状態になるだろう」と発言。「勤務に就く航空管制官はごくわずかになるとみている」と語った。
管制官不足を理由に米連邦航空局(FAA)は各航空会社に対し、運航便数を14日までに10%削減するよう指示している。管制官は勤務を義務づけられているものの、政府が再開するまで給与が支払われない状況にある。
ダフィー氏はCNNの番組で「若手の航空管制官の多くは年収10万ドル未満で、単身収入世帯も少なくない。子どもが1人か2人いれば、生活は非常に厳しい」と述べ、「こうした影響は政府機関が再開した後も長く尾を引くだろう」と続けた。

トランプ大統領の主要経済顧問の一人であるハセット国家経済会議(NEC)委員長はこの日、感謝祭前後の輸送の混乱が、米国経済の足を引っ張る恐れがあるとの見方を示した。感謝祭翌日には、年末商戦の幕開けとなるブラックフライデーがある。
ハセット氏はCBSテレビの番組で「感謝祭の時期は、1年のうちで経済活動が活発になる時期の一つだ」とした上で、「この時期に人の移動が滞れば、第4四半期がマイナス成長となる恐れもある」と語った。
原題:Duffy Warns Thanksgiving Holiday Travel to Slow to a Trickle (1)(抜粋)
--取材協力:Maria Paula Mijares Torres、Siddharth Philip.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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