世界の富裕層にとって、ドバイほど暮らしやすい場所はない。

不動産サービスのサヴィルズが世界30都市を対象に、富裕層が生活する上で魅力を感じる街を調査し、ランキング形式で発表。アラブ首長国連邦(UAE)のドバイが首位になった。

ドバイには富裕層の移住が相次いでいると、サヴィルズは指摘する。移住者の多くが挙げる理由は相続税とキャピタルゲイン税、資産税がいずれもゼロという税制優遇策、家族で暮らす上でのインフラが充実していることや高水準の安全保障だという。

同社の顧客向けリポートによれば、ドバイでは「移住してくる家族が増えており、多くのインターナショナルスクールで入学待ちが増えている」。ブルームバーグ・ニュースは同リポートを確認した。

 

サヴィルズによると、世界の富は2022年の低迷から回復傾向にあり、地域別ではアジア太平洋が最も速いペースで成長している。

富裕層が次の移住先を決める上で、ビジネス環境は重要な要素となっている。同社のランキングで1位のドバイと2位のニューヨークは、ビジネスに優しい環境や税制優遇措置、地政学的な安定で富裕層を引き付けているとサヴィルズは指摘する。

UAEの「ゴールデンビザ」も、世界の富裕層の注目を集める理由。200万ディルハム(約8300万円)を投資すれば、10年間にわたって低い課税率で居住を認める制度だ。

サヴィルズはまた、富裕層の居住先が「伝統的な金融センターからテクノロジー主導型都市へと明らかに移っている」と分析。中国の深圳とインドのベンガルールでは、富裕層人口が過去10年間で3桁台の伸びを記録したという。

アジア太平洋地域の経済成長も富裕層の増加を後押しし、上海やバンコク、東京が恩恵を受けていると指摘した。

富裕層が年齢を重ねた後にどこで住宅を購入するかを決める上で、相続税は重要な要素の一つ。その点でロンドンは、ライフスタイルでは高い評価を受けているものの、英国の税制が足かせとなり、全体の順位を落とした。

原題:Dubai Tops New York as Best Spot for Global Elite, Rankings Show(抜粋)

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