19日朝の外国為替市場の円相場は1ドル=148円付近と、前日夕から下落して推移。米国の経済統計が予想を上回り長期金利が上昇したことがドル買い・円売りにつながった。日本銀行の植田和男総裁の記者会見に対する警戒感もある。

三菱UFJ信託銀行ニューヨーク支店資金証券室の小野寺孝文ファーストバイスプレジデントは、米経済が強ければ利下げ期待が剝落してドルが買われやすいと指摘。もっとも、日銀の植田総裁が利上げ見通しについて言及するどうかを見極める状況であり、ドル・円は200日移動平均の148円60銭台より上には行きにくいと言う。

18日の米10年国債利回りは前日比2ベーシスポイント高い4.1%程度で引けた。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%上昇。スワップ市場は年内1.8回程度の利下げを織り込んでいる。

日銀は19日、金融政策決定会合を開き当面の運営方針を発表する。金融政策は現状維持が見込まれている。植田総裁は午後に定例の記者会見を行う。

三井住友信託銀行米州部マーケットビジネスユニットの山本威調査役は、前回7月の会合では植田総裁が利上げ姿勢を維持しつつも時期などで具体的な言及をせず、円売りを招いたと指摘。今回も同様の展開となった場合、「円は一時的に149円程度まで大幅に下げる可能性もある」とみる。

--取材協力:松井玲.

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