米石油大手エクソンモービルは、欧州で化学関連リサイクルへの投資を停止する。プラスチックに関する規則が過度に厳しいためだとしている。

ジャック・ウィリアムズ上級副社長はインタビューで、同社は当面、ベルギー・アントワープとオランダ・ロッテルダムにおける1億ユーロ(約174億円)規模のリサイクルへの投資を一時停止すると述べた。

欧州連合(EU)は、高いエネルギー価格や数多くの規制に苦しむ産業界が国際競争力を維持できるよう対応を迫られている。EUは気候変動対策で世界をリードしてきたが、トランプ米大統領の返り咲きで新たな試練にさらされている。

ウィリアムズ氏は、「EUが脱炭素化で主導的な役割を果たしている点を踏まえると、われわれがまさにそのための事業を展開しているにもかかわらず、欧州で競争力のある投資先が見つからないのは少々皮肉に感じる」と話した。

EUの規制が変更されない限り、エクソンは年間8万トンのプラスチック廃棄物をリサイクルする計画を再開できないとも同氏はコメントした。

EUの規制を巡っては産業界から不満の声が上がっている。

欧州委員会のロースバル委員(環境担当)は取材に対し、「われわれの取り組みでは、循環性に焦点を当てイノベーションを受け入れ、化学・リサイクル産業の競争力の支援に注力している」と説明。「化学関連リサイクルが適切に行われるように明確で科学的根拠に基づく枠組みづくりを進めている」と述べた。

原題:Exxon Halts €100 Million Recycling Investments Due to EU Rules(抜粋)

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