(ブルームバーグ):ロシア西部の石油関連施設をドローン(無人機)で攻撃し、同国にとってバルト海沿岸で最も重要な2カ所の石油積み出し拠点の操業に打撃を与えたと、ウクライナが発表した。
事情に詳しい関係者によると、同地域で最大の石油積み出し港であるプリモルスクが攻撃を受け、稼働を一時停止した。関係者は取り扱いに注意を要する情報だとして匿名を要請した。
ウクライナの主張は独立した機関によって確認されていない。プリモルスクとウスチルガの2カ所の石油積み出しターミナルを運営するロシア企業トランスネフチは、電子メールでのコメント要請に今のところ応じていない。
もう一つの重要な石油輸出拠点であるウスチルガに送油するポンプ場3カ所も攻撃対象になったと、関係者は述べた。そのうちの1カ所は、今年前半に攻撃を受けたアンドレアポルだという。これらのポンプ場はバルト海から数百マイルの地点に位置するが、大きく損傷すれば、ウスチルガへの石油輸送に影響が出る可能性がある。

ロシア・レニングラード州のドロズデンコ知事は12日朝にテレグラムに、プリモルスク港に停泊していた船舶がドローン攻撃で炎上したが、既に鎮火したと投稿した。船の被害状況について詳細は示さなかった。ポンプ場でも攻撃があったと記したが、どこのポンプ場か特定はしていない。
ウクライナはここ数週間、ロシアのエネルギー施設に対する攻撃を強化している。ウクライナはその狙いについて、ロシアの前線への燃料供給能力を削ぐと同時に、輸出収入に打撃を与えることだと説明している。
ロシア国防省は今回の攻撃後、モスクワ州上空での9機を含む合計221機のウクライナ無人機を迎撃したとテレグラムで発表した。ウクライナによるこの攻撃は、ロシアの侵攻開始以降最大級となった。
プリモルスクはバルト海沿岸におけるロシア産原油・石油製品の主要輸出拠点。ブルームバーグの集計データによれば、8月には日量約33万バレルのディーゼル燃料と同約115万バレルの原油が同港から輸出された。
ウスチルガは同地域で第2の石油輸出拠点。ブルームバーグがまとめたデータによると、直近4週間の平均輸出量は日量62万6000バレルだった。ウスチルガからの輸出は、同港とドルジバ・パイプラインの両方に送油していた別のポンプ場が攻撃を受けたことで、既に落ち込んでいた。
原題:Ukraine Claims Strikes Affecting Key Russian Baltic Oil Hubs (1)(抜粋)
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